雑感:
SFチックなストーリーとして見るなら、これは恐らく個人的なプレイ履歴の中では、『YU−NO』に次ぐ大ヒットであると思われます。
むしろ前述のそれよりも優れているのは、難しい単語ばかりが並ぶのは仕方のないこととしても、それらが全てコンピューター用語であり、それらを全て理解していなくても話はうまく繋がっていく、といううまさです。
全体として見ても、漂うムードが暗すぎず、明るすぎずで良好。キャラクターもそれなりの魅力を持っているし、声優の質も(同社いわく、実力派声優陣)良質です。またテンキーの456のみでプレイできるシンプルさも、この手のアドヴェンチャーとしては面白い部分だと思います。
謎解きについても、説明可能な部分から徐々に説明していき、最後に統合する展開は見事。また、未来や神、ネットなどについての独自の理論を展開しているところが、ただのSFとは一線を画している感じです。
ただ、その謎が解けていく部分が、自動的にコードが巻きとられるようにするすると解けていく、という印象があります。えてしてSFとはそういうものなのかもしれませんが、自分の知らなかった世界を釣り糸を巻き上げるかのように明らかにしていく、という『YU−NO』的発見の喜びはないように感じました。このレベルになってくると好みの問題かもしれませんが、これはあくまで『ゲーム』だ、という認識で点をつけました。これが映画なら判定は違っていたかもしれません。実際、映画と言われても遜色のないストーリー運びであることは付けておきましょう。
(9/5,1999)
(10/14,2001:改訂)
(2/20,2003:第3期パソゲェ批評発足に伴い指数+0.01)
(12/12,2003:第4期パソゲェ批評発足に伴い指数-0.09)
(編集部註:規約に従い、
殿堂入りを授与します)
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