タイトル | 新体操(真) |
メーカー | ぱんだはうす |
レヴュワー | 編集部・松井 | ||
基本6項目 |
キャラクター | 6億5千万 |
グラフィック | 8億 |
操作性 | 6億8千万 |
音楽・音声 | 7億5千万 |
ゲーム性 | 7億 |
ストーリー性 | 7億5千万 | ||
主観データ |
お気に入りポイント | 7億5千万 | ||
マスクデータ |
綜合評価 | 7億3千1百万 |
重率総和 | 300億 | ||
達成率 | 95% | |||
パソゲェ指数 | 2.21 |
雑感:
(プレイ時間:約5時間) ●概要 久々にやりました。ぱんだはうす大先生(と書けとの上層部からの指令が。)の新作は、ぱんだはうすの中でも一番有名? だと思われる『新体操(仮)』の続編。開発者は否定していますが、前作からのストーリーを完全に継いでいるので便宜上『続編』として考えることにします。 なぜこんなに『続編』ということにこだわるか、というのには理由があります。すなわち、このゲームを評価する場合、ゲームシステムその他は別としてまず最初に考慮しなければならない部分があるからです。それが、『はたして、前作と本作とを比較考証すべきか?』ということです。 ●(仮)から(真)へ 本来この批評のスタンスとしては、『前作が何だろうと、同時期に似たゲームが発売されようと、比較はしない』というものが主流でした。しかし、それは点数として反映させればよいのであって、批評・考察という点において比較を試みることに問題はないと思います。実際彼らは前作を下敷きにして今作を作る旨をサイトで表明していますから、前作で不評だった部分をこれでもかといった具合に取り除くつもりだったのでしょう。 前作と比較して明らかに変わっていたのは大きく分けて3点あります。 1点目は主人公。いかにも学園凌辱モノといった趣だった前作の鬼畜教師から、女装して学園に紛れ込んだ青年へと変わります。 2点目はゲームの雰囲気。主人公と黒幕のトモミとの掛け合い漫才のようなコメディ色が主だった前作に比べ、今作は闇の新体操を主軸にした本物の『学園凌辱ドラマ』に仕上がっています。 3点目はゲームシステム。調教SLGの面影を残していた前作とは違い、今作はあっさりした普通の調教AVGになりました。 これらを踏まえた僕の第一印象は、『特異を捨てて、無難に走った』というものでした。この印象そのものは大切にしないといけないのですが、一方でゲームそのものはそんなに嫌いではありませんでした。そこには何か理由があるはずだ、『無難』という一言だけで片付けられない何かが。そう考えました。 ●主人公とドラマ性 まずは、最初に挙げた表題の2点を『ストーリー性』に絡めて考えてみます。 このゲームをプレイして最初に驚かされるのが、このゲームのドラマ性ではないでしょうか。前作のヒロインの弟が主人公で、それが姉を探すために女装して転校してきて、やっと探し出した姉は前作の主人公の子供を妊娠しているという……。傍から見たら新手のコメディかよと言いたくなるような怒涛の展開が、不思議に巧く表現できていました。登場キャラたちだって、こんなやついないよ、と思えるようなキャラが多くて、それでいて破綻していない。それはストーリー全体を包み込むドラマ性が、そうした細かい撞着(矛盾)に目が行かないようにしてくれた結果ではないでしょうか。 前作はヘンにコメディに偏った結果キャラの魅力など個々の良さがバラバラになってしまい、新体操がモチーフだったのかどうかも忘れてしまうようなありさまでしたが、今作はドラマ性を用いてそれらを強引にひとところにまとめている印象です。なぜドラマ性がこういう効果を及ぼすのかは詳しくはわかりませんが、おそらく『コメディはそこが舞台だが、ドラマはそこが現実である』ということではないのでしょうか。コメディ色が強すぎると、どうしても感情移入できないというか、外から眺めるような形になりますが、ドラマだとそれがない、そこに見せられている『現実』にすんなり入っていけるのでは……などと考えていますが、どうでしょうか。 そういう意味でも主人公の特異さは際立っていました。この主人公はむしろ、1:教師以外で女子校にいられる男性で、2:エロシーン(CG)に描いても遜色のない人物、というような基準で選ばれたような気はします。そうだとしても、そうでなかったとしても、彼の存在は『ドラマ性』なしには容認されなかったかもしれません。 ●ボリュームの問題と破綻の問題 共通イベントはほとんどゼロに近く、行動場所を選んでヒロインのイベントが進んでいくタイプのAVGです。この手のアドベンチャーは本来、非常に作るのが難しいのです。なぜならば、プレイヤーはあるヒロインだけ追うかもしれないし、同時攻略を目指すかもしれない。このゲームのようにどのヒロインがどこにいるかわからないのであれば、手当たり次第場所を選ぶかもしれない。そういう状況にあって、『イベントの連続性を保持できない』『ヒロインひとりあたりの必要充分なイベントのボリュームを確保しづらい』という弊害が生じます。このゲームは手当たり次第選んでいればクリアできてしまうタイプのゲームです。それだけに一人一人のイベントがやけに短く感じられてしまい、しかも『何も選ばない(選んでも女の子に会えない)』という場合もかなり多くあったため、まさにイベントがぶつ切りで相互関連もなく、作業プレイのようなイメージがあったのは残念でした。 また、主人公の性格の破綻は致命的ではなかったでしょうか。奇異な主人公、衝撃の展開、重厚だがリアルな雰囲気といった小道具を数々用意してドラマ性というトンネルの入り口を用意したにも関わらず、出口まで行く途中で列車が脱線してしまったかのようです。逆に、女の子たちが闇の新体操に身を捧げていく様などは、すぐに堕ちたりする女はともかく、逆にしつこいほど抵抗してくる女よりもむしろリアルな感じで描けていたのではないか、と思います。ただ、それがどうしてハッピーエンドに繋がるのか……というあたりで納得が行きません。脱線列車を降りて歩いたら、出口付近で落盤事故に遭ったような気分でした。 ●システムとエロ分量 調教AVGになったことについては賛否両論でしょう。シーン回想は一人のヒロインにつき基本的に8個。うち調教は半分の4個しかないわけですからボリューム不足は否めません。ただ、逆に言うならば新体操というシチュエーションだけでこれ以上のシーンを作ったところで、マンネリ感が漂うのは目に見えています。そういう意味では英断だったと言えるのかもしれませんが…… それを補うかのように、ヒロイン2人の組み合わせのシーンがあります。3Pがあるゲームは数あれど、女性2人の組み合わせ(4人中2人を選ぶので全7通り)でシーンがあるゲームはほとんど聞いたことがありません。そういう意味では新鮮でした。ただ、シーンそのものがおまけのようなものであり、ボリュームに欠けるのが残念でしたが。 一回のプレイで(女×女以外の)ほとんどのシーンが見られてしまうというゲームの難度は問題です。日付を今の半分に減らし、一人一人のイベントをもっとボリュームアップし、さらに調教メニューの数は今のままでいいかわりにエロシーンのボリュームを今の2倍にする。その上でエンディングでしか示されなかったヒロイン達の主人公への好意がもっとゲーム中でアッピールされていれば、それだけで中身の濃い新体操が完成します。新体操じゃなくても、スク水でもメイドでも巫女でもメイドでもウエイトレスでもメイドでも、もうこの際何でもいいので続編にはそういったバランス感覚を期待しましょう。 ●総評 最近まともにゲームをプレイしていなかったためか、たいした批評が書けませんでした。ただ、この新体操(真)の最大のキモはドラマ性である、という主張に問題はないと思います。あとは好き嫌いの問題でしょう。絵の巧さはすでに定評があるわけですから、主人公に(女声ながら)ボイスがあること、調教も恋愛も中途半端であること、器具プレイやスカトロが妙に多いことなど、このあたりを了承できるのであればお勧めできる作品です。 ただひとつだけ言わせてもらうとすれば、早くからオンラインマニュアルを採用し、パッケージの簡素化に努めてきたぱんだはうす。このパッケージならせめてあと1000円は安くならないと…… (11/18,2004) Generated by Review-HTML File Generator Ver.4.00 44 Creations, Inc. |